私の想い
〜〜〜リヤカー屋台創業への想い〜〜〜
広島県呉市の小さな町で生まれました。呉市は、海と山に囲まれた自然豊かな土地。決して裕福ではなかったものの、家族の愛情をたっぷり受けて育ち、自由奔放に過ごしていました。自然の中で駆け回る野生児のような幼少期でしたが、その反面、勉強にはあまり熱心ではなく、ある日、担任の先生から「このままだと行ける高校がないかもしれない」と言われ、一念発起。努力の末、公立高校に合格し、入学後は学年トップを維持するほど勉学に励みました。
大工だった祖父の影響と、幼い頃から絵を描くのが好きだったことから、「建築のデザインなら自分に合っているかもしれない」と考え、建築学科のある大学へ進学。しかし、想像していたものとは異なり、すぐに自分の限界を感じ、挫折。今思えば、これが最初に「逃げる」選択をした瞬間だったのかもしれません。
その後、さまざまなアルバイトを経験しながら生計を立てていましたが、夢や目標を持てず、ただ生活費を稼ぐために働く日々でした。
転機となった出来事
そんなある日、働いていた会社である疑問を抱くことになります。
「同じ会社の仲間であれば、売上を達成したら皆で喜ぶものだ」と思っていたのに、実際は違いました。売上が伸びても喜ぶ人と喜ばない人がいる。ノルマを達成しても、一部の人は称賛し、一部の人は嫉妬する。競争はライバル会社だけではなく、社内にも存在するのだと気づきました。
その状況に嫌気が差し、親に相談すると、父はこう言いました。
「どこへ行っても、そういう人は必ずいる。嫌だからと理由をつけて逃げるだけなら、今までと何も変わらない。逃げるのではなく、立ち向かってみたらどうだ?」
その言葉に、私はまた逃げようとしていたことに気づきました。どこへ行っても同じような問題は起こる。ならば、私は変わらなければならない。
「それなら、自分で起業してみる! 全ての責任を自分で背負えば、きっと変われるはず。」
父は言いました。
「起業自体は誰でもできる。でも、大事なのは困難に立ち向かう精神だ。覚悟はあるのか? 逃げ場はもうないぞ。」
「分かった。やると決めたからには、行動する!」
こうして、私の起業への道が始まりました。
広島をもっと魅力的な街に
父も起業家だったため、それからというもの、毎日のように相談を重ねました。そして気づいたのです。
「私は広島で育ち、広島が大好きだ。でも、広島は転出率ワースト(当時は2年連続、その後3年連続)になっている。このままでは、私の育った町が過疎化してしまう。何かできることはないだろうか?」
父の言葉が頭に浮かびました。
「商売とは、困っていることを解決することだ。需要がなければ、仕事は成り立たない。」
「広島に足りないものは何だろう?」と父に尋ねると、
「シンプルに考えろ。就職先がないとか、子育て環境がどうとか、いろいろ理由はつけられるが、結局は“街に魅力がない”からだ。楽しい場所には人が集まる。それだけのことだ。」
確かに、他の県と条件は大きく変わらないのに、広島だけ人が減るということは、単純に魅力が足りないのだと気づきました。
「じゃあ、まず自分が楽しめることを始めよう!」
そこで思いついたのが、以前動画で見たリヤカー屋台のおじさんでした。「広島には屋台文化がない。だったら、リヤカー屋台をやってみよう!」
父に相談すると、「広島には呉の屋台くらいしかないし、参入が厳しい。でも、広島市内でリヤカー屋台をやるのは面白いかもしれない!」と背中を押してくれました。
こうして、私のリヤカー屋台は始まりました。
1周年を迎える今、新たな挑戦へ
何度も泣きながら「もう無理かもしれない」と思ったこともありました。それでも支えてくれる人がいて、何とか踏みとどまることができました。そしてようやく1年を迎え、ありがたいことに、多くの方に応援していただき、ご注文が殺到するようになりました。しかし、現在の小さなキッチンでは生産が追いつかず、業務の効率化が求められています。
人を雇うほどの利益はまだ取れておらず、お店の開業資金も十分ではありません。しかし、今いただいているお仕事を減らすわけにはいかない。そこで、1周年の節目に皆様からの「ご支援」と銀行融資を受け、自分の理想の店舗を持つことを決意しました。
私が目指すのは、これまでにない新しいスタイルのおにぎり屋。リヤカー屋台で得た経験を活かし、皆さんの記憶に残る最高の店舗を作りたいと思っています。
私の夢 〜広島をもっと楽しく〜
おにぎり屋は目標の一つですが、私の夢は広島をもっと賑やかで楽しい街にすること。そして、ゆくゆくは雇用を生み出すことです。しかし、一人でできることには限りがあります。
だからこそ、私が得たノウハウを広め、若い世代が恐れずにチャレンジできる環境を作りたい。挑戦することが当たり前になる社会にしたい。そのために、私自身もどんどん新しいことに挑戦し、前進し続けます。
おにぎり屋としても、起業家としても。
どうか、私 東 果穂の挑戦を応援して頂けると嬉しいです!